2000年代2000〜2009年

邦楽

象徴するアーティスト・曲

  1. 宇多田ヒカル
    「traveling」「Can You Keep A Secret?」ほか(2000〜2004年)

    90年代末のデビューから引き続き圧倒的な存在感。R&Bテイストのポップスで2000年代前半を牽引した。

  2. 浜崎あゆみ
    「M」「Dearest」ほか(2000〜2005年)

    「平成の歌姫」としてCDセールス、ファッション、カリスマ性すべてでトップに君臨。エイベックスを代表するアーティスト。

  3. SMAP
    「世界に一つだけの花」(2003年)

    アイドルが社会的メッセージを持つ曲を歌い国民的ヒットに。「ナンバーワンよりオンリーワン」は2000年代の精神を象徴。

  4. 「truth」「One Love」ほか(2008〜2009年)

    2000年代後半にジャニーズの新たな看板グループとして台頭。CDセールスで年間上位を独占し始めた。

  5. GReeeeN
    「キセキ」(2008年)

    顔を出さない匿名バンドのスタイルが話題に。着うたフル時代のヒットの象徴で、甲子園テーマとして広く親しまれた。

音楽産業の転換点

  • CD売上の急速な衰退:1998年のピーク(約5,879億円)から2009年には約半減。ミリオンセラーの数も激減し、「CDが売れない時代」が到来。
  • 着うた/着うたフルの隆盛:2004年頃から携帯電話向け音楽配信が急成長。2006年にはデジタル配信の販売数量がシングルCDを上回った。
  • iPod/iTunesの普及:Apple社のiPod(2001年)とiTunes Store(2005年日本開始)により、楽曲単位のデジタル購入が一般化。
  • フェス文化の拡大:FUJI ROCK(1997年〜)、SUMMER SONIC(2000年〜)、ROCK IN JAPAN(2000年〜)など大型音楽フェスが定着。CDが売れなくてもライブで稼ぐビジネスモデルへの転換が進んだ。
  • YouTube/ニコニコ動画の登場:YouTube(2005年)、ニコニコ動画(2006年)の開始により、MVの無料視聴やボーカロイド楽曲の投稿が始まった。

文化的背景

「失われた10年」から「失われた20年」へ。デフレ不況の長期化、就職氷河期、格差社会の問題が深刻化する中、音楽の消費形態も「みんなで同じ曲を聴く」から「個人が好きな曲を選ぶ」方向にシフト。SNS以前の時代であり、テレビとCDの影響力がまだ残っていたが、確実にその地位は低下していた。2008年のリーマンショックは経済だけでなくエンタメ産業にも打撃を与えた。

年代の変遷

2000年はサザンオールスターズ「TSUNAMI」が約293万枚の大ヒットを記録し、まだ「CDが国民的ヒットを生む」力を持っていた。しかし2009年には嵐がCDセールスでトップを占める一方、一般リスナーの音楽消費はすでにデジタルに移行していた。「CD売上=ヒット」の公式が成り立たなくなり始めた転換の10年。

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洋楽

象徴するアーティスト・曲

  1. Eminem
    「Lose Yourself」「The Real Slim Shady」(2000〜2005年)

    白人ラッパーとして異例の成功を収め、ヒップホップの主流化を象徴。映画『8 Mile』(2002年)でさらに名声を確立。

  2. Beyoncé
    「Crazy in Love」(2003年)

    Destiny's Childから独立し、ソロとして頂点に。R&B/ポップの新女王として2000年代全体を支配した。

  3. Usher
    「Yeah!」(2004年 年間1位)

    アルバム「Confessions」が2004年の最大のヒット作に。R&B/ダンスポップの黄金期を代表する1曲。

  4. Lady Gaga
    「Poker Face」「Just Dance」(2008〜2009年)

    2000年代末に彗星のごとく登場。奇抜なビジュアルとエレクトロポップで2010年代への扉を開いた。

  5. Black Eyed Peas
    「Boom Boom Pow」「I Gotta Feeling」(2009年 年間1-2位)

    エレクトロポップとヒップホップの融合で2009年を席巻。ダンスミュージックのメインストリーム復権を象徴。

音楽産業の転換点

  • iTunesとデジタルダウンロードの時代:Apple iTunes Store(2003年)の成功により、楽曲が1曲99セントで購入可能に。Napster後の「合法的なデジタル音楽販売」のモデルを確立。
  • ヒップホップの黄金期:2000年代を通じてヒップホップがBillboard Hot 100の最も支配的なジャンルに。Jay-Z、Kanye West、50 Cent、Lil Wayneらが商業的に巨大な成功を収めた。
  • リアリティTV/American Idol:American Idol(2002年〜)がKelly Clarkson、Carrie Underwoodを輩出。オーディション番組が新人発掘の主要チャネルとなった。
  • MySpaceとアーティストの自律:MySpace(2003年〜)がArctic Monkeys、Lily Allenなどのブレイクを後押し。アーティストがレコード会社を介さずにファンと直接つながる最初の大きな流れ。

文化的背景

9.11同時多発テロ(2001年)が世界を変え、イラク戦争(2003年〜)が続いた時代。Green Day「American Idiot」(2004年)のようなポリティカルな楽曲も生まれた。一方でFacebook(2004年)、YouTube(2005年)、Twitter(2006年)、iPhone(2007年)の登場でデジタル・ソーシャル革命が進行。音楽の消費も「所有から共有」へとゆっくり移行し始めた。

年代の変遷

2000年はFaith Hill「Breathe」やSantana「Smooth」がカントリーやラテンロックのクロスオーバーで1位を獲得し、ジャンルの多様性が際立つチャートだった。2009年にはBlack Eyed PeasとLady Gagaがエレクトロポップで席巻し、「踊れるポップス」が主流に。10年間でCD→デジタルダウンロードという媒体の大転換が起き、音楽の届け方そのものが根本的に変わった。

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